働き方改革の新たなカギに!「ギグエコノミー」ってなに?
2017.12.07
日本中で「働き方改革」が注目され、新しい働き方が続々と登場しています。その1つが世界中で急速な広まりを見せる「ギグエコノミー」。会社に勤めず、インターネットを通じて単発の仕事を受ける、今注目のワークスタイル。何が新しいの? 気をつけるべき点は? など、その特徴をお伝えします。
会社に勤めず、仕事ごと単発で引き受ける
「ギグエコノミー」とは、一言で説明すると「会社に所属して給料をもらうのではなく、仕事が発生するたびにネット上で受発注し、仕事ごとにお金を貰う」スタイルのこと。
ロックやジャズのミュージシャンが人前で演奏(ギグ)を行うとき、会場でその都度契約を結ぶ様子との共通点から、こう名付けられました。
例えばWebデザイナーなら、仕事をインターネット上で探し、Webデザインをし、単発で受注した一つの仕事が終わるたびに報酬をもらう、というもの。インターネットが普及し、仕事を探すことや、クライアントとのやりとりがどこでもできるようになったからこそできる働き方です。
ほかにも、自分の家やアパートを貸し出す「民泊」もその一種。プロでなくとも、専門サイトなどでお客さんを探し、気軽に取引ができる一方で、ご近所トラブルや無免許営業などの問題も。現在、法整備が進められており、これからも成長が期待されています。
いつでもどこでも「自由」に働けて、企業側はコストも削減
ギグエコノミーは、働く側に「自由」というメリットを与えます。会社に毎日通わなくていいし、家やカフェ、旅行先など、ネットさえつながればどこでも仕事ができます。子育て真っ最中の人なら、子どもの面倒を見ながら仕事ができるし、何時間働くのか、どのくらい長いバカンスを取るのかも自由に選択できます。もちろん、住む場所だって自由。例えば、無人島に住みながら働くことだってできるんです。
また、仕事を依頼する企業にもメリットが。必要なときだけ仕事を発注するので、コスト削減につながるのです。社員にはどんなにその時期の仕事が少なくても、毎月一定の給料を払わなければいけません。しかしギグエコノミーは、仕事ごとに単発で契約・支払いをするので、コストコントロールがしやすいのです。
いいことだけじゃない、自由にはリスクが伴う?
当然ですが、この働き方にはリスクもあります。最大のリスクは、「非正規労働」であるため、正社員が受けられる社会保険や厚生年金などのサポートがないこと。そのため、会社が行ってくれる確定申告などの手間もかかりますし、自分自身で計画的に将来設計を行うことが欠かせません。
加えて、特筆すべきスキルがないと、収入が低くなってしまう可能性もあるということ。ギグエコノミーの発注には「最低労働賃金」が適用されないので、依頼者から評価されなかったり、需要がなかったりすると、労働賃金が低くなるかもしれないのです。ですから、自分のビジョンを明確にしたり、スキルを磨いたり…といった姿勢が常に求められるでしょう。
しかし、ある意味ではこのようなリスクは会社勤めでも同様かもしれません。一度正社員になれば、あとは安心という時代は終わりつつある現代。正社員でも自分のスキルを磨かず、ボーっと働いていると、ある日突然、仕事を失ってしまう…なんてことも十分起こり得ます。「ビジョンのない人生こそが、リスクである」とも言えるでしょう。
まとめ
時間や場所を選ばず自由な働き方を選べるギグエコノミー。終身雇用が危うくなる中、自分らしいライフスタイルを求めて選択する人が増えると予想されています。会社員として働くも、ギグエコノミーのような新しいワークスタイルを選ぶも、常に自分が成長できるビジョンを描きながら、最善の選択を心がけることが大切ですね。