芸能の世界で知った、夢と現実との隔たり。将来へやるべきことに力を注ぐため、私が選んだ仕事
2017.03.14
憧れていた「声の仕事」に就くも、実力に対して正しい評価を受けられない時期が続いたという木下 侑紀さん。生活のためにアルバイトや本意でない仕事に追われるのではなく、本当にやりたい仕事に専念するため下した、木下さんの決断について伺いました。
厳しい芸能の世界に振り回され、理想と現実のギャップが広がっていった
高校時代、全国大会に毎年出場するような強豪といわれる放送部に所属していました。部活動を通じて声で表現することの楽しさを知り、将来はナレーションの仕事に就きたいと思ったんです。その後、事務所に所属しアルバイトをしながら、さまざまなオーディションを受けるようになりました。
当時は朝6時から夕方までカフェのバイト、その後レッスンに通って深夜に帰宅、早朝にはまたバイトに行く毎日の繰り返し。お金にも時間にも余裕がなく、身だしなみに気を使ったり、映画や舞台を観たりといった、表現者にとって大切な「自己投資」も全くできていませんでした。
そんな状態でオーディションを受けていたため、やはり不合格が続きました。オーディションに落ちると、自分の全てを否定されたような気持ちになるんです。せっかく手にした仕事も地下アイドルの仕事などで、もともとイメージしていたナレーションの仕事とはかけ離れたものばかり。思い描いていた理想の姿からはほど遠く、好きではじめたはずの仕事が「生きるため」の仕事になってしまっていました。
もとから積極的に人前に出たり、人と話したりするタイプではないんです。今でこそ「垢抜けたね」といわれますが、当時は今より5kgも太っていたし、髪も暗めで肌荒れもひどく、別人みたいだったんですよ(笑)。ただでさえ内向的なうえに、仕事に疑問をもちながらも無理をし続けていたせいで、どんどん自分に自信がなくなっていきました。「自分の将来はどうにもならない」「どうせ変わるわけない」と、半ば諦めたような気持ちをずっと抱えていましたね。
自分の理想の姿に近づくため、ニュースキンに賭けることに
そんなときに、バイト先の先輩の紹介でブランドパートナーの仕事に出会いました。その先輩を介して紹介していただいた方がいるんですが、その方はブランドパートナーの仕事で毎月の収入を得ながら、小劇場の舞台に立っていて、「この姿が、自分の理想像かもしれない」と直感しました。新しい仕事への挑戦は不安でしたが、自分次第で、お金と時間がバランス良く手に入る可能性を秘めているなんて、これほど魅力的なことはないと思い「まずはやってみよう、上手くいかなかったらやめればいい!」と、軽い気持ちで始めました。
最初はナレーションと並行してブランドパートナーの仕事に取り組んでいました。しかし、「一つのことに集中すべきときがあり、そこで集中しなければ仕事を大きく広げていけない」という先輩の言葉をきっかけに、ナレーションの仕事はいったん全てストップ。まずはブランドパートナーとしてビジネスの土台を築くことにしました。「自分が将来なりたい姿に近づくため、今はニュースキンの仕事に専念しよう」と思ったんです。
「自分自身を開く」ことによって、未来の仕事が生まれていく
ブランドパートナーの仕事をする中で先輩から指摘されたのが、私はいつも「人に対して心を閉じている」ということでした。自分に心を開いてくれない人に対して、心を開きたいと思う人はいませんよね…。それまでの私は自分のことを話すのが怖く、上っ面でしか人とつながることができていなかったのだと気づきました。自分のことを伝えていく「自己開示」ができていなかったんです。
それ以来、一緒に仕事をする方には「自分がどんな人なのか」を知ってもらう努力をするようになりました。すると、自分を信頼してくれる方が増え、さらに新しいつながりも生まれるようになっていったんです! 以前より「自分を開く」ことが上手になったのも、人とのつながりの大切さを理解したのも、ブランドパートナーの仕事を始めてから。今では、自分が本当にやりたいナレーションの仕事にも全力で取り組めるようになってきました。
後輩のブランドパートナーの中にも、芸能の仕事を志す人がたくさんいます。そんな方に伝えたいのは、「物事の順番をよく考える」こと。私も教えてもらったことなのですが、例えばバーをオープンしたいと思ったとき、まずはお酒のつくり方を覚える人が多いですよね。でも、その技術があってもお金と経営の知識がなければバーの経営はできません。いくら実力があったとしても、自分の理想に近づくために常に必要なのは「資金」と「経営力」。私にとって声の仕事に必要なその2つを手にするためのものが、ニュースキンの仕事でした。
私自身の経験をふまえ、夢をもつ人たちをサポートするために将来は芸能関係の会社をつくりたいと思っています。業界的なしがらみにとらわれない、実力が評価されるような、そんな会社がつくれたらうれしいですね。

木下 侑紀
Yuki Kinoshita
高校の部活動でナレーションなど声の仕事に興味をもち、専門学校在学中に芸能活動をスタート。しかし実際の仕事内容に違和感をもつようになり、ブランドパートナーになったのをきっかけに自分の働き方を改めて見直すように。現在はブランドパートナーの仕事と並行して、ナレーションやMCの舞台でも引き続き活躍中。