新たなニーズを掘り起こして大ヒット! コンビニコーヒー人気の裏側

2017.08.24

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最近頻繁に目にするようになった、コンビニエンスストアで売られているテイクアウトのコーヒー。実はこの商品、大ヒットしています。大手コンビニでは、1年間で約7億杯、年間で約750億円もの売り上げを記録したとのこと。どんな場所でもいろいろなコーヒーを買えるこの時代に、なぜコンビニコーヒーがヒットしたのでしょうか。その理由を考えます。

「コンビニで売る」ことにより、ニーズにハマった

コンビニコーヒーがヒットした理由としてまず重要なのは、コーヒーを好む人が多い、日本人のニーズにマッチしていたことです。コーヒーを飲む方法はいくらでもあるけど、缶やインスタントではない本格的な“挽きたて”を飲みたい。ただし、出勤やランチの慌ただしい時間に、専門店までは買いに行きにくい。そんな人たちにとって、近くにあるコンビニでサッと本格コーヒーを買えるシステムはぴったりでした。

しかも、コンビニコーヒーは専門店のコーヒーよりも低価格です。もちろん、低価格に着目すれば缶コーヒーもありますが、こちらは“挽きたて”ではありません。コーヒー好きで日常的に飲むからこそ、安く本格的なものを手に入れたい。しかも、時間に追われがちな日本人だからこそ、スキマ時間で買いたい。コンビニコーヒーは、このニーズを見事に満たしたのです。

「セルフ型」なくして、ヒットは生まれなかった

コンビニコーヒーは、最近のヒットに欠かせない要素もいくつか含んでいます。まずは、「短時間」で済ませられること。コーヒーでなくとも、「レンジで温めるだけで食べられる」「すぐに家まで届ける」など、近年ますます「短時間」が売りのサービスが増えています。コンビニコーヒーも同様で、同じ行列に並ぶなら、専門店に並ぶよりも、コンビニの方がすぐに自分の番が来る気がしますよね。

もうひとつの要素が「セルフ型」です。お店によってシステムはそれぞれですが、多くの場合コンビニコーヒーはレジでカップを買い、会計後に購入者が自分でコーヒーを入れます。こういったセルフ型も最近増えている形態。店員の業務が減るため、スピード化はもちろん、人件費も削減できます。つまり、低価格を可能にするのです。ここが専門店との大きな違いです。

客を「奪う」のではなく、「新たな客をつくる」発想

コンビニコーヒーの登場により、専門店がお客さんを奪われ、どれだけダメージを受けたか気になってしまう人もいるのではないでしょうか? しかし、ダメージはそれほどでもないのです。現に、専門店の売上はここ数年で大きな上下は見られていません(※1)。

これはつまり、もともと専門店でコーヒーを買っていた人が、コンビニコーヒーを買うようになったわけではなく、むしろ「専門店まで行くのは面倒」「コーヒーを買いたいけど、専門店に行く時間がない」とあきらめていた人がコンビニコーヒーを買うようになったのです。

日本のコーヒー消費量は、2013年から2016年に至るまで、続けて過去最高の売上を更新し続けています(※2)。喫茶店から客を奪ったのではなく、眠っていた「コーヒー好き」のニーズを新たに掘り起こしたのですね。

まとめ

日本人が長く親しんだ「飲み物」において、ちょっとした工夫で心をつかんだコンビニコーヒー。そのヒットの裏には、いくつもの理由があったのです! まさにビジネスの面白さ、奥深さを感じさせる商品かもしれません。

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