ダイエットや間に合わせの食事の影響も？
実は足りない人が増えている、「タンパク質」の知識

2017.01.19

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何も考えずに食事していれば十分摂れていそうですが、最近は不足しがちな人が増えているという「タンパク質」。不足すると美容面や基礎代謝にも影響が出てしまうのだとか……。

健康と美容の鍵を握るタンパク質。しかし現代人は不足気味

私たちにとって大切な「三大栄養素」として、炭水化物、脂質と並んで挙げられているのがタンパク質。筋肉や皮膚、髪の毛といった体の大切な組織をつくり、内臓などの臓器が機能するために必要な酵素やホルモン、免疫抗体などの原料にもなります。

メジャーな栄養素で、意識せずとも十分に取れていそうですが、実は近年、タンパク質が不足しがちな人が増えているのです。この原因として、時間に追われて食べるものにまで意識が回らなかったり、ダイエットで食べる量を減らしたり、低カロリーのものばかり食べている人が増えているからなのでは…といわれています。

タンパク質不足は体に大きな影響が出にくく、身体に支障が起きて初めて気がつく、というケースもあります。しかも、タンパク質は多めに取っても体内に蓄えられることなく排出されてしまうので、必要な分は毎日、食事をして取らなければいけないのです。

ダイエットには逆効果！ 心の健康にも影響するタンパク質不足

では、タンパク質が不足してしまうと体には一体どういった影響が現れるのでしょうか。

タンパク質は、筋肉や内臓といった部位でもっとも多く使われています。特に筋肉は、呼吸や体温の維持でエネルギーを使い、体の「基礎代謝」を活発に行なっています。筋肉量が減ると基礎代謝が落ちて、体に脂肪を溜めるようになり、結果として太りやすい身体に…。つまり、ダイエットをしたいからといってタンパク質を減らしてしまうのは逆効果になりかねません。

肌のハリやツヤ、弾力を維持するコラーゲンや髪の毛をつくるケラチンも、タンパク質を材料にしてつくられています。つまり、肌のシワやたるみ、さらに薄毛や抜け毛、切れ毛がタンパク質不足によって引き起こされる可能性があるのです。

また、やる気を起こすドーパミンや、リラックスを促すセロトニンといった神経伝達物質も、タンパク質を分解したアミノ酸が原料です。そのためタンパク質が不足すると、脳内で神経伝達物質がつくられず、脳の働きが鈍くなり、その結果、やる気や集中力が欠けてしまうことも…。

動物性食品と植物性食品を組み合わせて、上手に摂取

そんな、体にとって必要不可欠なタンパク質を効率よく摂取するなら、肉、魚、卵、乳製品、大豆といった食材を意識して取るようにしましょう。肉や魚などの動物性の食品なら、タンパク質を分解して得られるアミノ酸を植物性の食品に比べて効率よく取ることができます。しかし、植物性の食品は動物性の食品に比べて脂質を押さえて取ることができるため、自分の食事を考慮しつつ、両方をバランスよく取ることを心がけましょう。

厚生労働省では、成人に必要な1日のタンパク質の量を60gとし、さまざまな食材から摂取することをすすめています。バランス良く栄養を摂取するための栄養の比率は、タンパク質2、野菜1、穀物1。1日3回の食事を、2：1：1の栄養バランスを意識しつつ取るのが理想です。

まとめ

現代人は、食事から摂取するタンパク質が不足しています。そのため肌や髪のトラブルだけでなく、やる気や集中力が欠けるといった心の健康にも影響が出てしまうことも。今一度、自分の食生活を見直し、1日3回の食事でしっかりタンパク質を取って、心身ともに健康な生活を目指していきましょう。